肌の内部でメラニン色素が作られる仕組みや紫外線を浴びてからシミができるまでのプロセスを知っておきましょう!
シミができるまでの各段階で、どの美白成分が効果を発揮しやすいのかを知っておくことがより効果的な美白ケアにつながります。
紫外線でシミができるプロセスと美白成分の働き
1.紫外線を浴びるとメラニンを作る指令が出る!
紫外線を浴びると肌を守るためにメラニンを作れという指令が出され、表皮細胞からエンドセリンやプロスタグランジンという情報伝達物質が分泌されます。
エンドセリンやプロスタグランジンといった情報伝達物質の分泌を抑えるために、シミを防ぐ日焼け止めやUVカット加工グッズで肌を守ることが美白の最初のステップです。
エンドセリンの働きをブロックする主な美白成分
- カモミラET(エンドセリンをブロック)
- トラネキサム酸(プロスタグランジンをブロック)
- t-AMCHA(プロスタグランジン)
カモミラETは花王の商法名でカツミレエキス、カモミラエキスと表記されることもあります。
t-AMCHAは資生堂の商標名で、t-シクロアミノ酸誘導体、t-シクロアミノ酸と表記されるのが一般的です。
2.情報伝達物質が届いてメラニン色素が作られてしまう!
情報伝達物質エンドセリンやプロスタグランジンがメラノサイトという細胞に届くとメラニン色素が作られはじめます。
メラノサイトは表皮と真皮の間にあるメラニン色素を作る細胞で、まず最初にチロシンという物質が作られます。
チロシンはアミノ酸の一つでチロシンだけではシミにはなりません。
シミになるためにはチロシナーゼという酸化酵素がチロシンに働きかけることでメラニン色素に変化します。
つまりメラニン色素に変えられてしまう前にチロシナーゼの働きを抑えることがポイントなのです。
多くの美白成分はこのやっかい者のチロシナーゼの働きを抑える作用があります。
チロシナーゼの働きをブロックする主な美白成分
- アルブチン
- ビタミンC誘導体
- ハイドロキノン
- コウジ酸
- エラグ酸
- ルシノール
- プラセンタエキス
- 油溶性甘草エキス(グラブリジン)
などがあります。
特にアルブチンやビタミンC誘導体は美白化粧品によく配合される代表的な美白成分です。
ビタミンC誘導体とハイドロキノンはチロシナーゼの働きをブロックする働きと作られてしまったメラニン色素を淡色化する還元作用が期待できます。
ポイント
チロシナーゼの働きをブロックするどころか、チロシナーゼそのものを分解してしまうという大技の持ち主!サンスターの商標名リノレックSで知られていて、美白クリームとして皮膚科で処方されることもあります。
3.作られてしまったメラニン色素が角層へ上がってくる!
お肌はターンオーバーを繰り返し、肌の一番奥の基底層で新しい肌細胞が生まれ表皮に上がり、最後には目に見える角層まで上がり垢となって剥がれ落ちます。
この肌細胞が生まれてから垢になるまでのサイクルはおよそ28日間です。
肌が傷ついたり日焼けしても元の肌色に戻るのはこのターンオーバーで絶えず肌が生まれ変わっているからです。
ところが、年齢を重ねるとターンオーバーに時間がかかるようになり40代では40~50日以上かかるといわれています。
年齢を重ねると傷が治りにくかったり、日に焼けると元の肌色に戻りにくくなるのはこのためです。
注意ポイント
こうなってしまうと美白化粧品だけのスキンケアには限界があります。
ターンオーバーを促すスキンケアでメラニンの排出を助けてあげましょう。
ターンオーバーを促すスキンケア
- ピーリング
- レチノイン、レチノール
ピーリングを行うと余分な古い角質が取れるのでターンオーバーのサイクルが早まりメラニン色素を排出するスピードが早くなります。
ピーリングをすることで美白成分が浸透しやすくなるというメリットもあります。
ポイント
トレチノイン(ビタミンA)、レチノール(ビタミンA誘導体)はターンオーバーを促進する効果で知られています。
トレチノインは欧米では外用薬として処方されているそうですが日本では認可されていません。
レチノールは作用がマイルドで化粧品に配合されています。
メラニン色素ができるプロセスで美白成分を選ぶポイント
美白化粧品は一種類の美白成分が全てのラインに配合されていることが多いのですが、美白成分は複数の異なるものを選ぶと良いという考え方があります。
メラニン色素ができる段階でアプローチの仕方が異なる美白成分を試したいという方は、ひとつのラインでも複数の美白成分が配合されているものを選ぶのも良いでしょう。
ポイント
- アスタリフトホワイト/化粧水にアルブチン、美容液にビタミンC誘導体
- ビーグレン美白/化粧水ビタミンC誘導体、クリームにハイドロキノン
- アンプルール美白/化粧水に新安定型ハイドロキノン、クリームに新安定型ハイドロキノンとビタミンC誘導体
- キュレル美白/化粧水にビタミンC誘導体、美容液や乳液にカモミラET
ただし、美白ラインに一種類の美白成分しか使われていないからといって効果がないわけではありません。
美白成分の効果の表れ方は人それぞれ。一種類ずつ試すことで自分に合う美白成分を知ることができるという大きなメリットがあります。
紫外線を浴びなくてもメラニン色素は作られる!?
メラニン色素はシミの原因として嫌われていますが、DNAの破損や皮膚がんを防ぐなど肌を守るために欠かせないものです。
シミは紫外線を浴びることで作られると考えがちですが、メラニン色素が作られる要因は紫外線以外にもいくつかあります。
シミができる原因(紫外線以外)
- 肌の摩擦や刺激を繰り返す
- 活性酸素が多く発生している
- 女性ホルモンの影響
紫外線対策や美白ケアを行ってもシミができやすいという方は、このようなきっかけでメラニン色素が作られてしまっているのかもしれません。
肌の摩擦でメラニン色素が作られる
洗顔や入浴でゴシゴシと強くこする、アレルギーなどで目をこする、化粧水のパッティングで肌を強く叩いているというようなことを繰り返していませんか??
このような摩擦や刺激を繰り返していると肌には目に見えない炎症が起きてしまいます。
肌の防御メカニズムが働いてメラニン色素が活発に作られ、くすみやシミとなってしまうことも。
注意ポイント
活性酸素が多いとメラニン色素が作られる
紫外線を浴びた時に体内で発生する活性酸素はストレス、激しい運動、喫煙、早食いなどでも発生し細胞を酸化させることで知られています。
肌細胞も酸化の影響を受け、肌を守るためにメラニン色素が作られてしまいます。
シミやくすみは紫外線の影響が大きいと思いがちですが、活性酸素は呼吸をするだけで発生するものなので紫外線よりも身近といっても過言ではないでしょう。
ポイント
食事バランスが乱れやすい方はサプリメントを取り入れるのもおすすめです。
女性ホルモンの影響でメラニン色素が作られる
頬骨にもやもやした形で左右対称にあらわれることが多い肝斑は、妊娠中やピルの服用、更年期といった女性ホルモンの変化がメラノサイトに影響を与えていると考えられています。
トラネキサム酸の内服と美白化粧品の併用が効果的といわれ、体質によっては漢方薬が効果を発揮します。
メラニン色素ができる仕組みのまとめ
紫外線以外にもメラニン色素ができる原因は様々です。
極端な例えですが、締め付けるブラジャーを着けて紫外線を浴びながらタバコを吸って食事バランスなんて気にしないというような生活をしていたら、肌のくすみやシミはどんどん加速してしまう心配があります。
透明感のある白肌を目指すなら、メラニン色素ができるきっかけやメラニン色素ができる仕組みを知って、プロセスに合った美白成分を選ぶことがポイント!日常生活で改善できることをどんどん取り入れることも大切です。
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